サイピアで「わくわく仮説実験教室」3回目
2022年7月17日(日),岡山市の「人と科学の未来館サイピア」で,小学校3〜6年生29人を対象に,仮説実験授業《自由電子が見えたなら》の最終回(3回目)を行いました。
ここまでの授業で,「電気を通すものは金属と黒鉛」「金属はピカピカしている(自由電子がある)」「表面に加工(塗料やエナメル,アルマイト加工など)がしてあると,表面をサンドペーパーでこすると電気を通す」ということを習ってきました。今回は,「延性(延びる性質がある)」ということを学びます。
砂場で,乾いた砂では砂団子はできませんが,水を加えてやると作れます。いろいろな形に変えることができます。金属は,自由電子がその水の役割をしていて,自由に(折れることなく)形を変えられます。そして,圧着という,接着剤を使わない方法で金属をくっつける方法があり,鉛同士をくっつける実験を行いました。どのくらい強い力でくっついているか,ペットボトルの水の分量を変えたおもりを3種類作って,吊り下げるチャレンジも行いました。
※鉛は有害ですが,手で触れる程度では問題ないとされています。念のため,ビニール手袋,手洗いを推奨しました。
今回は「束縛電子」という難しい言葉も出てきましたが,ノリのいい学生さんを羽交い締めにして「これが束縛」というと,その学生さんは休み時間に追いかけ回されていました。(笑)
9人の学生さんがお手伝いしてくれて,それぞれ担当のグループを決め,プリント配り,実験の説明補助から全体で意見を言いにくい子の話を聞いたりしてくれました。すっかり打ち解けて,温かい雰囲気が醸成されていました。
授業の評価は
5 とてもたのしかった ・・・24人(感想より:金属はすごいと思った。金属は自由電子があるということが分かった。他の「見えないものが見えたなら」があったらいい!/鉛をくっつけることを実際に体験して楽しかった!/身の回りに自由電子があり,電気を通すものもたくさんあることが分かりました/スタッフの方の対応が良かったです)
4 たのしかった・・・5人(感想より:知らないことがたくさん知れてよかった。あめのふくろは光を通したけど,アルミホイルは通さなくてびっくりした)
3 ふつう・・・0人
2 少しつまらなかった・・・0
1 ぜんぜんつまらなかった・・・0
で,全員が「たのしかった」と評価してくれました。
最後に,「自由電子が心のなかで見えるようになったら,ピカピカ光るものを見るたびに自由電子をイメージしてね。そうやって生活していたら,すごい発見ができるかもね」と締めくくりました。
今回の授業は,徹底的な「イメージの教育」です。無味乾燥な知識では得られない広がり,豊かさを,仮説実験授業は与えてくれます。