「ぷろぐ☆ラボこうなん」にシンボル照明を寄贈

玉野光南高校「ぷろぐ☆ラボこうなん」を設計するとき,「せっかく作るんだから,何か特徴を作りたいな」と思って,2021年のお正月はそればかり考えて過ごしました。

2020年末に岡山県教育委員会から急にこの予算の話があったときに,地域開放型のSTEAM施設にするということと,「高校生ICTレストラン〜教えることで学ぶ」というテーマはすぐに思いつき,情報科の教員チームに提案して了承を得ていました。

予算提示は最初は3000万(!),その後すぐに5000万(!!),そして最終的には2500万円になり,「人のお金を使うというのはこんなにしんどいのか」とあたふたするばかりでした。私は県の職員として,「公費は血税。大切に使わなければならない」といつも考えていました。それは,定時制高校勤務時代に経済的にたいへんな家庭をたくさん見てきたことが大きく影響しています。(私がもともとケチであることも影響していますが 笑)節約の中にもメリハリをつけて,ここに来る生徒や地域の方の心がザワッと動いて,一瞬で「ここは特別な場所だ」と理解できるような,そんな施設にしたいと思いました。

最終的に,「ぷろぐ☆ラボこうなん」のハード面での特徴といえるのは次のことです。

1.壁の一面がグリーンバック
配信や合成映像用にグリーンバックがあるといいのですが,「どうせ壁を塗るのなら緑に塗ればいい」と思いつきました。これはこのような施設を多く手掛けている設計担当のガイアエデュケーションさんも驚いておられました。この視覚的なインパクトは非常に大きいです。

2.3Dプリンター・・・だけではなく
この予算というのは,全国の専門高校に割り当てられたもので,私が聞いた範囲では,工業高校だとン千万円の工作機械を買ったり,農業高校ではドローンや自動運転のトラクターのようなもの,多くの学校では古くなったコンピュータ室の更新(ただし,ノートPCはダメ)などというもので,地域に開放ということを明確に打ち出しているというのはありませんでした。3Dプリンターは導入例としてあげられていることもあってか,商業高校でも採用されていると聞きました。でも,3Dプリンターは制作に時間が(ものすごく)かかることや,そんなに作りたいものがないんじゃないかと(苦笑)思い,1台導入にとどめ,それよりたぶんおもしろいことのできる「レーザー加工機」「ガーメントプリンタ(Tシャツプリンタ)」,さらにボーカロイド(初音ミク)やペンタブレット,映像カメラなどを導入しました。それらは見るだけでもワクワクできるものになっています。

3.未来を感じられるしかけを
学校というところは,明治には最先端を体験できる場所でした。オルガンも地球儀も,家庭にはない時代でした。親の知らないことを学んで,得意になってその日に学んだことを家族に教えることができました。でも今は,過去を体験する場所になってしまっています。今の学校は,校則も,教育内容も,教育方法も,施設も,何もかもが「過去にタイムスリップする」装置になってしまっています。ぷろぐ☆ラボには,音声で照明がつき電動カーテンが開閉したり,プレゼンテーションルームとして講演者がスポットライトで浮かび上がったり,教師用PCデスクが電動で昇降したりします。さらに,シンボリックな天井照明をつけました。日本ではなかなか見ないデザインのものです。しかし,中国製品ではよくあることですが,販売用の写真がデフォルメされていて,思った以上に小さい,安っぽいもので,さんざん探して意気込んでいた私にはちょっとがっかりなものでした。

そこで,先日新たに見つけたLED照明(これも中国製ですが)を個人的に購入して,寄贈することにしました。(これまでついていたものは,壁灯として活用することを考えています)

このような照明器具に魅力を感じる方もおられると思いますが,情報がほとんどないので不安だと思いますので,ここで写真で説明したいと思います。(中国のAliExpressというサイトで注文し,意外にも一週間ほどで到着しました。注文後に色を黒から金に変える希望をしたのですが,すんなり受け付けてくれました。荷物の状況も逐一更新されていて,安心できました)

中国製LED照明の組み立て〜取り付け

※私は第2種電気工事士を持っています。

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